飛行船

海外旅行に行くときや、日本国内で長距離移動をするときなどは、ほとんどの人が飛行機を利用すると思います。中には船を使ったり、鉄道を使ったりする人もいるでしょうが、それはもはや趣味の範疇と言えるもので、利便性を考えたら飛行機を使うのが一番でしょう。飛行機が旅客用として本格的に使われるようになったのは戦後になってからですが、それ以前は航空移動手段として飛行船が使われていました。今、飛行船がちょっと変わったところで注目を浴びています。

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飛行船の歴史

大昔から、空を自由に飛び回ることは人間の憧れでした。1700年代の終わりごろには、すでに気球を使った有人飛行に成功しています。1850年ごろから本格的な飛行のための研究が始まり、1852年に初の飛行船が誕生します。この後、様々な種類の飛行船が誕生し、飛行船が移動手段の中心となっていきます。1920年代には大西洋横断航路や太平洋横断航路が開設し、多くの人々の交通手段として使われるようになります。当時、客船での大西洋横断に4日ほどかかっていたところを飛行船ならば2日で横断できるので、高速移動手段として飛行船が全盛をきわめていくわけです。

飛行船のしくみ

飛行船は、機体に空気より軽い比重の気体を詰めて空に浮かび、エンジンで推進力を獲得して空中を進む仕組みになっています。飛行船に詰める気体は空気より比重が軽ければ何でも構わないのですが、当時は最も軽く、製造が容易であった水素が使われていました。しかし、水素ガスは燃えやすいので、今の飛行船は安全なヘリウムガスを使用しています。

飛行船の種類

飛行船はその形態によって大きく2つの種類に分けられます。現在存在している飛行船のほとんどは軟式飛行船です。

軟式飛行船

飛行船自体が大きな一つの風船になっているものです。

  • メリット・・・コストが安い、軽量である
  • デメリット・・・1ヶ所穴が開くと非常に危険、大型化が難しい

硬式飛行船

飛行船本体の枠組みを作り、その中に無数の小型風船を入れたようなものです。

  • メリット・・・安全性が高い、大型化が容易、高速飛行が可能
  • デメリット・・・飛行船の重量が重くなる、コストが高い

飛行船の凋落

1900年代前半には栄華を誇った飛行船ですが、いくつかの理由により航空移動手段としての役目を追われ、姿を消していくことになります。

ヒンデンブルグ号事件

テレビなどで飛行機関連の番組をやると、大体取り上げられることの多い事件です。1937年にドイツ製の飛行船ヒンデンブルグ号が着陸寸前に爆発してしまった事件です。この事件により、飛行船の安全性への疑問が生まれ、徐々に衰退していく要因となりました。

飛行船以外の旅客機の登場

このヒンデンブルグ号事件の起こる前後から、急速に航空技術が発達し、移動手段として現在の旅客機に相当する飛行機が使われ始めるようになります。飛行船よりも高速で安全に運行できるというメリットが注目されることになり、航空移動手段は飛行船から旅客機に移っていき、移動手段としての飛行船は姿を消すこととなりました。

現在使われている飛行船

野球のテレビ中継を見ている人ならわかるかもしれませんが、東京ドームの試合終了時にどこかの企業名が書かれている小型の飛行船が飛んでいます。これは無人のラジコン飛行船なのですが、現在では飛行船はこのように広告道具として使われています。たまに空を飛行船が飛ぶこともありますが、それも何らかのキャンペーンなどに使われています。昔のように移動手段として飛行船が使われていることはありません。

これからの飛行船の使用用途

しかしながら現在、飛行船は移動手段としてではなく、違った形での利用方法が注目されています。「成層圏プラットフォーム」というものです。これは、成層圏に無人の飛行船を浮かべ、その飛行船に無線の送受信機を取り付けておき、それを使って無線のやり取りを行おうという試みです。この試みは世界各国で行われており、日本でも1998年から国が中心となって研究を進めています。

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